徒歩で国境を越えてみたい!リヒテンシュタイン旅行記
ヨーロッパで4番目、世界で6番目に面積が小さい国、「リヒテンシュタイン」。
スイスとオーストリアに挟まれたこの国を、「観光目的」で日本から訪れる人はそれほど多くはないでしょう。
私たちが旅した理由も偶然の思い付きから。
それでは、旅の記録、リヒテンシュタインですべき3つのことを、最近のデータやアクセス情報なども交えながら振り返っていきたいと思います。
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リヒテンシュタインへ行く目的・行こうと思った理由
ヨーロッパ周遊中の旅行者であれば、旅の途中でリヒテンシュタインに立ち寄ることは可能ですが、日本からこの国だけを目的に旅をする人はそれほど多くはないでしょう。
私たちの場合は、ゴールデンウィークの旅先としてドイツのミュンヘン・フュッセン旅行を計画し、ミュンヘン往復の航空券だけは早々に予約していました。
とはいえ、1週間もミュンヘンだけというのはもったいないので、滞在中にアクセスのよいザルツブルク(オーストリア)など近隣の都市へショートトリップしようと考えていたのです。
地図と列車の時刻表を見ながら、どの街にしようかと考えていたところ、ふと目に留まったのが「リヒテンシュタイン」。
観光地であるザルツブルクであれば、今後目的地として訪れる機会はあるでしょうが、リヒテンシュタインへ行く機会は早々ないでしょう。
オーストリアは既に訪れたことがあったため、「訪問国」として1か国増やしておこうという旅人ならではの動機が後押しし、ミュンヘン&リヒテンシュタイン旅行が決定しました。
リヒテンシュタインへの行き方 Buchs (スイス) Feldkirch (オーストリア)からバスでファドゥーツへ
リヒテンシュタインには空港がないため、周辺国から陸路でアクセスすることになります。
観光目的で訪れる場合は、チューリッヒ(スイス)、インスブルク(オーストリア)、ミュンヘン(ドイツ)と組み合わせるケースが多いようですね。
鉄道でアクセスする場合は、上記の主要都市からBuchs (スイス) Feldkirch (オーストリア)まで行き、リヒテンシュタインの首都ファドゥーツ行きのバスに乗り換えます。
私たちの場合は
ミュンヘンからオーストリアのFeldkirch (フェルトキルヒ)までは鉄道。
フェルトキルヒ駅前のバス停から、ファドゥーツへと向かいました。
復路は時刻表の関係で、ファドゥーツからバスでスイスのBuchs(ブフス)へ
この駅からミュンヘンへと戻りました。
<リヒテンシュタインへのアクセス情報>
参考:リヒテンシュタインーオーストリア/スイス バス(LIE MOBIL)
参考:ドイツ鉄道(DB)
参考:スイス鉄道(SBB)
リヒテンシュタイン基礎データ
面積
文頭に書きましたが、リヒテンシュタインはヨーロッパで4番目、世界で6番目に小さい国です。
面積は約160平方キロメートルで外務省のサイトによりますと、これは小豆島に相当するそうです。
<面積の小さい国ランキング>
1.バチカン
2.モナコ
3.ナウル
4.ツバル
5.サンマリノ
6.リヒテンシュタイン
参考: 面積の小さい国(外務省)
バチカンやモナコは国自体が目的地となりますが、アンドラ公国などはバルセロナ旅行のオマケ感覚で訪れる方も多いのではないでしょうか(*経験談)。
そういう意味では、リヒテンシュタインも、チューリッヒやインスブルク、ミュンヘン旅行の+αとして検討できる国ですね。
データ
人口は37,366人(2014)、言語はドイツ語で、2015年10月時点で13人の日本人の方がリヒテンシュタインにお住まいなのだそうです。
また、在日リヒテンシュタイン人も8名いらっしゃるとのこと(2015.12時点)。
在スイス日本国大使館が、在リヒテンシュタイン日本国大使館を兼轄するため、リヒテンシュタインでパスポート紛失をしてしまうと、スイスで手続きをすることになりそうです。
通貨はスイスフラン。
一人当たりの国民所得は108,830CHF(約12,515,450円 2013データ)と、世界でもトップクラス。*1CHF=約115円 2016.12
主要産業は精密機械、医療機器、金融で、失業率は2.4%(2015)と低く、(日本3.4%、アメリカ5.3%、ドイツ4.6%、イタリア11.9%)労働者の半数以上はスイスやオーストリア、ドイツから通勤しているそうです。
リヒテンシュタイン政府の「Facts and figures」を見ますと、Average monthly salary(平均月収)がCHF 6,380、すなわち約733,700円となっています。
平均値ですし、母数が少ないため単純比較はできませんが、裕福な国であることは間違いないでしょう。
旅行者の立場からしますと、物価の高さは覚悟しておく必要がございます。
参考:労働力調査(基本集計) 平成28年(2016年)10月分 (2016年11月29日公表)
旅行記
大きなスーツケースはミュンヘンのホテルで預かってもらい、最小限の荷物でやってきた私たち。
宿泊したのはこちらのかわいいプチホテル。
Landhaus am Giessen Hotel
Zollstrasse 16, 9490 Vaduz, リヒテンシュタイン
カントリー調のかわいらしいインテリア
荷物を置いて、早速街を散策です。
ファドゥーツ市内にもバスは走っているようなのですが、見所となるような場所は徒歩圏内ですので歩いて周りました。
とりあえず、丘の上のファドゥーツ城を目指します。
敷地内は見学不可ですが、周辺は散策可能。
市内の様子。
後方の山はスイス領ですね。
ヨーロッパの旧市街で見られるような、愛らしい木組みの家や、北欧のカラフルでカワイイ家が建ち並ぶわけではございません。
街並みの印象は、とにかく清潔できれいだということ。
山間の小さな町に、高級物件が点在する不思議な光景です。
平日の昼間。
とにかく人が少ないというのも印象的でした。
国境を徒歩で越える スイスーリヒテンシュタイン
リヒテンシュタイン旅行のメインイベント。
それは「国境を徒歩で越える」ということです。
島国で生まれ育った私たち日本人にとって、「歩いて国を移動する」ということに憧れや特別な思いを抱く方も多いのではないでしょうか。
私自身、シンガポールからマレーシアのジョホールバルへ向かった際は、国境でバスを降り、出国手続き、入国手続きのわずかな区間を外に出た記憶があるのですが、やってみたいこととは違います。
ローマからバチカンへ行った時も、今から思えば「徒歩」ではないだろうかとも思うのですが、これともちょっと違う。
国境を徒歩で越えることは日本人にとっては特別なイベント。
「せーのっ!○○!(入国)」
とか、
体半分は○○(A国)、半分は○○(B国)!
ということをしたいのです!
国境に検問所がない西ヨーロッパであればそれが可能。
ということで、先ほどの地図を再確認。
私たちが宿泊したホテルの目の前の通り「ツォル通り」を西に進むとライン川が見えますね。
このライン川の向こうはスイスなのです。
つまり、この川に架かる橋には国境が存在するということ!
ということで、ホテルから徒歩10分、ライン川にやってきました。
こちらの橋は車の侵入は禁止。(別の場所に車用の橋もございます。)
緊張しながら早速中へ進むと
はい。ございました!
そうです。コレコレ。
私がしたかったことは、コレなのです。
ということで、人通りの少ないこの場所で、散々遊ばせていただきました。
私たちがキャッキャッとはしゃぎながら撮影している後ろでは、地元の人が自転車で国境を往来。
彼らにとっては陸路での国境越えなどは、生活の一部なのでしょう。
しかし、この柱をよく見ますとかなりの数の落書きが。
これはおそらく私たちと同じように「徒歩での国境越え」を特別なイベントだと感じる方たちが残したサインでしょう。
ただ、落書きはいけませんね。
日本語がなかったことにホッと一安心です。
リヒテンシュタインの入国スタンプ
リヒテンシュタインですべきことと言えばもう一つ。
シェンゲン加盟国間ではパスポートチェックがないのですが、観光案内所で入国スタンプを押していただくことが可能。(3スイスフラン/3ユーロ 2016.12)
パスポートへの押印を認められているため、私のパスポートには旅の思い出が残っています。
Liechtenstein Center
Städtle 39, 9490 Vaduz, リヒテンシュタイン
営業時間:9:00-18:00 (5.1-10.31) 9:00-17:00(11.1-4.30)
切手が有名なリヒテンシュタイン ポストカードを送りましょう
リヒテンシュタインですべきことの3つ目。
ポストカードを購入し、リヒテンシュタイン発行の切手を貼って送るということですね。
モナコではしませんでしたが、アンドラ、バチカンでも同様にポストカードを送りました。
小国を訪れる場合の定番ですね。
私もホテルで友人に宛てたポストカードを何枚か書き、切手を貼って投函準備をしていました。
ところが・・・
そのままスイス行きのバスに乗り込んでしまった私。
バスの中で今回の旅を振り返り、ポストカードを出し忘れていたことに気づきました。
リヒテンシュタインのポストカードをリヒテンシュタインの切手で送ることに意味があるのに、このままではスイスで投函(切手を貼り替え)ということになってしまいます。
もっとも、こだわっているのは本人だけで、友人の立場からすればどうでも良いことなのでしょうが、私にとっては重要なのです。
電車の時間がございますので、ファドゥーツに引き返すわけにもいきません。
困った結果、どうしたかといいますと・・・
バスに同乗していた女の子。聞けばリヒテンシュタイン人だということで、ポスト投函をお願いしました。
世話の焼ける観光客で申し訳ございません。
いつでもよいのでと言いましたが、すぐに投函してくれたようで、数日後には無事に日本の友人たちから受け取ったとの連絡がございました。
親切なリヒテンシュタインの女の子に感謝です。
まとめ
ふとした思い付きで行くことになったリヒテンシュタイン。
日本から時間とお金をかけて「観光目的」で行くことは一般的ではございませんが、私のようにミュンヘン旅行のついでにということであれば、1泊2日で出かけてもよいかもしれません。